「もっと安くならないの?」「量販店なら半額だよ」 地域でビジネスをしていると、一度は言われたことがある言葉かもしれません。
しかし、Amazonのような「置き配」が当たり前になった時代だからこそ、地域ビジネスが狙うべきは**「標準化できない不便な領域」**にあります。
今回は、一見非効率に見える「待機」や「手間」が、なぜ最強の利益源になるのか。宅配ビジネスや他業種の例を交えて解説します。
1. 宅配が高単価になる理由:「商品」ではなく「状態」を売っている
Amazonなどの大手宅配は「効率」を追求し、置き配でコストを下げます。しかし、地域のイベントや冠婚葬祭などの「現場」への宅配は、全く別物です。
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「待機」というコスト: 指定時間があっても、現場では30分以上の待機がザラにあります。コインパーキングを探し、会場前でタイミングを計る。この時間は、大手には耐えられない「非効率」です。
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「品質」の維持: 特に冷えた飲み物や食品の場合、待機中も完璧な温度管理が必要です。
お客様に「量販店ならもっと安い」と言われたら、こう考えてみてください。 「お客様が自分で量販店へ行き、大量の氷を用意し、車を出し、駐車場を探して炎天下で待機し、最高の状態で搬入する……その手間と時間を、いくらで買いますか?」
お客様が払っているのは、モノ代ではなく**「失敗できない本番への安心感」**なのです。
2. 他業種における「オーダーメイド」の勝ちパターン
「手間を引き受ける」ことでレバレッジを利かせている例は、他にもたくさんあります。
工務店:単なる「修理」ではなく「一括メンテナンス代行」
個別のリフォームは相見積もりになりがちですが、例えば「法人の社宅一括管理」や「店舗の夜間緊急メンテナンス」はどうでしょう? 「いつでも、まとめて、面倒を見てくれる」というオーダーメイドな安心感は、単価の比較対象から外れます。
クリーニング・洗濯業:単なる「洗浄」ではなく「保管・お届け」
安さを競う店舗型ではなく、高齢者施設や寮への「定期集配・名前書き・整理整頓まで」をパッケージにする。この「プラスアルファの手間」が、替えのきかない高単価サービスになります。
3. レバレッジ(テコ)とオーダーメイドの組み合わせ
前回の記事でお話しした「レバレッジ」を、このオーダーメイドの視点と組み合わせると最強です。
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1対1の手間: 一人のお客様のために待機する。
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レバレッジ(1対多): 大規模イベント(団体)のために待機し、大量の「冷えた状態」を届ける。
同じ「30分の待機」でも、10人分のお弁当を届けるのと、300人分の冷えたビールを届けるのでは、利益率が劇的に変わります。「手間がかかる仕事を、大きな母体に対して行う」。これが地域ビジネスで大きく稼ぐための方程式です。
結論:不便の中にこそ、利益が眠っている
効率化、標準化、セルフサービス。 世の中がそちらへ流れるほど、**「面倒なことを、自分の代わりに、完璧にやってほしい」**という需要は高まり、その価値は上がります。
量販店と比較されたら、自信を持って答えましょう。 「私たちは、あなたの大切な時間を守り、最高の結果を保証するプロフェッショナルです」と。
